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Vol.06 糖尿病のはなし(2)

合併症

(1)合併症に至るまで…

糖尿病の合併症は全身に起こってきますが、そのメカニズムについてははっきりと分っていないことが多いのです。現在までに考えられているしくみは次の通りです。

血液中のぶどう糖が、一定以上の濃度になると、たんぱく質でできている腎膜・腹膜・血管などの細胞の基底膜をはじめとする、あらゆる酵素などに余分な糖が付着し、たんぱく質の機能が十分働かなくなります。たんぱく質というのはからだの主要な構成成分であるため、この機能が侵されると結果として全身の状態が悪化します。

ぶどう糖をはじめとするアルコールの代謝異常によります。

食後、血液中に増えたぶどう糖は細胞内に取り込まれ、アルドース還元酵素によってソルビトールに変えられます。血糖値が正常ならば、ソルビトールは果糖に変化してエネルギー源として使われます。しかし、高血糖が続くと、ソルビトールが次々とつくられ、処理しきれずに細胞内に溜まってしまいます。

(2)主な合併症…

(A)急性合併症

ア.急性感染症

イ.糖尿病性昏睡

ウ.低血糖昏睡


(B)慢性合併症

ア.糖尿病性網膜症…失明

イ.糖尿病性腎症…人工透析

ウ.糖尿病性神経障害…壊疽による足の切断


 



糖尿病発症の要因

過食・運動不足・ストレス・肥満・遺伝などがあります。


(1)食事療法

食事療法は、摂取エネルギー量を調整し、食後の血糖値が急上昇するのを抑えて、血糖をコントロールしようというものです。薬で血糖値を下げている患者さんも、食事療法を同時に行わないと、血糖のコントロールはうまくいきません。 適正エネルギー量は、年齢・性別・身長・体重・日常生活での運動量によって違います。正確なエネルギー量は、医師・栄養士に指導を受けることをおすすめします。エネルギー量の高いアルコールや脂肪を制限し、砂糖を多く使った菓子類を減らせば、それだけでも摂取エネルギー量は減らせます。

注意したいことは、適正エネルギー量を守るとともに、そのエネルギー量の範囲内で栄養のバランスをとることが大切です。 中には、食事を制限すればよいだろうと、栄養摂取量の半分位しか食べず、栄養失調気味になったり、炭水化物がよくないからといって、ごはんやパンなどの炭水化物を一切取らずに、エネルギーが不足して体調を崩す方がいますが、これではかえって健康を害してしまいます。

高齢者の場合は食事制限をすることによって、元気がなくなってしまうことがあるので、食事の楽しみを奪わないよう注意し、バランスをとることが大切です

糖尿病の食事療法とは、病人食ではなく、“健康食”として実践することが重要です。


(2)運動療法

運動療法を行うことによって、明らかに血糖値が下がりますが、やめるとまた上がってしまいます。

運動が大切といっても“スポーツに励む”というよりも、少し汗ばむ程度の軽い運動が効果的です。

できれば毎日30分、少なくとも週5日位の運動をすることが理想です。早歩きやジョギング、ラジオ体操など気軽にできるものを長く続けることが大切です。“プールで歩く”も ぐぅ〜!です


牛乳に含まれるカリウムは、血液中の老廃物を除去・腎臓のはたらきを助ける・動脈硬化の予防・高血圧の予防・アレルギーの予防等に優れています!



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